見た目年齢、若く見られても老けて見られてもモヤッとするお年頃です。
昨日は陶器市に赴いて、その途中で古くからありそうな個人商店へ夫と入った。
ちゃきちゃきしたおばあさんが1人で経営されていた。店頭には客寄せのために投げ売りのような価格のものがあり、奥には丁寧に作家ものの作品が並んでいる。
ぐるりと店内を見て、投げ売りコーナーから400円の小物を購入することにした。
私がゆっくり小物を選ぶ間に、夫も花瓶を欲しがり、おばあさんと話し込んでかなりの値引きサービスを受けていた。
趣味のものについてはお互い財布を分けているので、それぞれ好き勝手に購入したのですが、おばあさんは後からレジに向かった私のことを「彼女」と呼んだ。
彼女?奥さんとかお姉さんなら分かるけど…。
まあ20代の夫も30代の私も、痩せ型で薄めの体つきで、肌のしわやシミも多くない。どちらかといえば若く見えることが多い。
(私は年相応にあったシミを美容医療で取ってもらっています。)
しかし婚姻関係にある私たちは、いかにもな結婚指輪を嵌めていたのに!
でもそれはまあ、見えなかったなら仕方がないね。
気を取り直しておばあさんと向き合う。
レジでの支払いの直前に、作家コーナーで見つけた、とても素敵だけど値札のないカップを「これはいくらですか?」と尋ねた。
小さなものだが、きっと60歳の私がこれで白湯を飲んでも気分が良くなるだろう、高そうだけど今から30年使えたら買ってもいいんじゃない?と思ったから。ぼんやりした灰色がかった青の模様がきれいだった。
おばあさんは「それは高いわよ〜!彼女はいい感性してるわ。」と言って、カップのうんちくを語ってくれた。御深井(おふけ)釉と言って珍しい、いいものだそう。
しかしひとしきり話し終えても、値段を教えてはくれなかった。
レジで400円の会計だけを済ませた。
小物の方も大変可愛くて気に入ったけど、これっぽっちしか使わなかった若い「彼女」にはまだ早いと思われているんだね、と思うとがっかりした。
薄給OLだが趣味に金使うくらいの貯金はある、預金通帳見せたら譲ってくれたか?東MAXみたいに万札で汗拭いたら良かったかな?
これじゃ購入を迷うラインにも立てない、立たせてもらえないのだ。
大体私が20歳だったとしても買う権利くらいあるだろ、若いうちに良いものを買って長く使うのが美しいだろ。
この間は別の個人商店で「最近はニ○リとかで安く質の悪い食器を買う若者ばっかりだ。商売あがったりだし、土鍋なんかは質の高いものが中国に流れてばかり、もったいない!」とおじさんに熱く語られた。
ふーん私は安くても高くても気に入ったら使うよ、と思いながら聞いた。
でも昨日みたいなことがあると、売る側が間口狭めてんじゃねーの?と思います。
若者に見えたとしても、普通に客として扱ってもらえれば文句ないです。
夫は値引きされて喜んでたけどアレも多分「若いのに感心ね」の値引きだよなー。
まあでも、他のお店でその作家さんの大きめな抹茶椀が21万、我が家の家賃の2倍以上で売られていたので、あの小さなカップも値段聞いたところで本当に買えなかったのかもな…
とりあえずまた良い出会いがあるまで、大人としての余力を身につけておきたい。